2007年8月20日から 28日まで 東京~熊本を 車で ひとり旅をした
熊本での介護 および 途中での百名山踏破 が 目的であったが ・・・
今 想いをめぐらすと マンドリンの名曲 交響幻想曲"シルクロード"にイメージが重なる
第一楽章 出 発
山登り用具、熊本での1ヶ月の生活用具、途中での別宅打合せ資料など 旅支度で愛車CR-Vも満杯、この上 車中泊も可能としなければいけない 準備は大変だが これからの新しい経験に胸が膨らむ 車のMDプレーヤーに カセットを入れると 曲は不安定な序奏に続いて メインテーマが高らかに響く こちらのCR-V キャラバンも するすると動き出した 見学者や見送りなど誰もいないが すぐ近くの府中ICから 難なく中央フリーウェイへ 右の競馬場、左のビール工場 を眺めながら流れに乗る まずは通勤割引 ETCの稼ぎどころ
第二楽章 炎天路と山脈の出現
山梨で別宅打合せを終えた旅は、順調に伊那路の一般ロードを進む 炎天下のアスファルトには 陽炎 これから先の旅の苦労を暗示させるが、まだ始まったばかり 元気である 当面の行先は、滋賀の伊吹山 しかし 見よ! 行く手に雪を頂いた山脈が立ちはだかる もはやこれを超えるしかない、天空の絶壁はいよいよ我々を威嚇する CRVキャラバンは 日和って高速に入る これこそ日本の屋根を乗りきる 恵那山トンネルである!
第三楽章 市場とオアシス
緑の都サマルカンドに限らず、人が集まるところにはいろんな店が集まる 土地土地の特有な店があって飽きないが 時々景色の中に突然 見慣れた建物が顔を出す "しまむら""ケーズデンキ""カインズホーム"など・・おーここにもあるのか! 土地の温泉も楽しい 山中の鄙びた野天もいいが、最近 自治体が作った立ち寄り湯もなかなか良いのがある 安いし、一人旅に最適
第四楽章 蜃気楼とカラブラン
伊吹山を難なくクリアしたCR-Vキャラバンは、今日の目的地 奈良県天川村へ足を向ける 蒲生氏郷街道と称するこの道は 延々と何の変哲も無い田舎道である 風は落ち 気温37度 逃げ水が続く 甲賀伊賀あたりでは幻覚が出てくる たまらず宇陀市で休憩、こんな暑い日の夜は はたして突然の雷鳴とバケツをひっくり返したような大雨 黒い嵐でなく稲妻に明るく照らされ・・昼から引きずっている幻想の世界に・・居る・いる・イル ~・・
第五楽章 山の夕暮と歓楽の宵
西へ向かって車を進めると 自然と夕暮れをみて走る 目は疲れるが 薄暮の景色は抒情的で好きだ 特に真っ黒になった山の端と まだ明るい夕空の対比・・ 田舎の道では突如コーランみたいな有線放送が聞こえることがある ここはバクダッドか? 早く目的地に着いたとき地元の一杯飲み屋で騒ぐのは楽しい 昔は絢爛たる歓楽街だったが 寂れてかえって風情がある大洲市など・・旅の途中であった女性は皆 妖艶でドラマチック 一夜の想い出はたくさん・ ホント
第六楽章 月下のキャラバンともののけの宴
CR-Vキャラバンは、今夜の宿を飛ばし夜のドーロを急ぐ 降り注ぐ月光にだれが吹くのか笛の音・じゃなくて、眠気防止のひとりカラオケじゃ- 登山口での車中泊は山奥だけに真の闇 夜中 カサッ コソッ と・やがて森の妖怪どもの聖餐が始まる やつらのざわめきに安眠も妨げられる が、こちらも山のオバケには精通している強みがある
第七・八楽章 静かな船旅と熊本への帰還
四国の百名山2座を踏破したCR-Vキャラバンは 三崎港から紺碧の瀬戸内海の航海となる 久しぶりに運転の緊張から解き放たれ 静かな船旅を楽しむ 別府港についたCR-Vキャラバンは、停止することなく九州のドーロを進む これこそ熊本へ続く道 やまなみ街道である くじゅう高原を過ぎると、なつかしい阿蘇の五つの峰が・・! 思わず息を詰める 帰郷の喜びをかみしめながら、糸杉の林を抜けると やがて立野の下りで眼下に夢にまでみた熊本の町が・・! ああ!! 金峰山と三の岳のシルエットの中に ひときわ高い熊本城も見えて来た 大津の杉並木を過ぎると ついに 熊本の街並みに入る・! (テーマ音楽スタート・・!)
長かった旅を祝福する 真っ赤な夕焼けが ずっとずっと 続いているのでした・・・・・・・ 完