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G3は今日も元気

典型的な団塊オジさんの自己満足的日記・・早期退職して悠々自適なのだ・・内容は・音楽雑論、マンドリン、二胡、百名山行、花と菜園、旅あるき、原子力と放射線、別荘暮らし、熊本で介護、猫の石松など・<府中市在住> リンクフリー

これも出羽守

昨日は 昨今の EVカーに係る 世界の情勢 に関 し
「海外では・ 日本はダメだ ! 」 の論調で つまみ食いの 海外礼賛 知識を ひけらかす "出羽守" を 断罪した

更なる"出羽守"の例について また論評する  それは・

「 かつて 世界を席巻していた 日本の半導体産業は 今や 韓国 台湾 アメリカに 置いて行かれてしまった」
「 世界の潮流に乗れない 日本は ダメだなー」



5ekk01半導体シェア01


確かに 日本の 半導体生産のシェアは どんどん落ちている 
このグラフには なぜこうなったか 要因が現われてないので それを 述べる

私が大学を卒業して 東芝に入社したのが 1971年 当時 産業用ミニコンや シーケンサ等の 使用が 広まり 会社の半導体事業部では 記憶媒体の DRAM の生産に 追われていた DRAMとは コンピュータに使われる データの 記憶素子 安価で単純なため 世界で 需要が増え始めていた ただ 電源が落ちると 記憶が喪失する 欠点があり 当時 データは パンチテープや 磁気テープに 残す必要があった その後 東芝の増岡富士夫氏により 電源が落ちても 記憶が保存される 不揮発性メモリ (フラッシュメモリ)が 発明され 世界から 絶賛を受けた 当初の DRAMは 1kBサイズだったが 技術の進歩で 4kB ~ 16kBと拡大し 64kBでは 日本がアメリカを追い越す事態になってきた 東芝の 半導体事業は 前途洋々の時代  

私も 一時 12Bit シーケンサの ソフト設計をやっていたが 当時 初の国産原発 福島3号機の建設が立ち上がり そちらにの設計に 引っこ抜かれた ここから 他事業部の状況を 社内から 眺めることになるが 我々原子力部隊の 隆盛に 比較 して 入社時 大勢いた半導体部門の同期社員が どんどん出向などで 減って行き 事業も縮小されていくような 感じを受けた 


今となって その原因は クリアになった 結論は
「 日本の半導体産業を 潰したのは アメリカだ ! 」

その手段は "日米半導体協定" 名前は 穏やかだが 中身は アメリカの 恫喝

1978年 当時の首相 福田武夫が 訪米 した頃から "日本の半導体のアメリカ市場への進出は アメリカのハイテク防衛産業の基礎を脅かす" という論拠で 不公正貿易 や ダンピング疑惑の提訴が 相次いだ その頃の 日本の半導体は 設計は もとより エッチング技術、セラミック材料、オートメーション製造装置など 全ての分野で 卓越しており 安くて 良質な半導体は 米国を 凌駕 していた
焦った アメリカは 得意の 難癖をつける手法で 力で 日本に 迫ってきた

1986年 "日米半導体協定" が 強引に 最終合意となった その内容は
★ 日本政府は 日本のユーザが 外国(米国?)の半導体を 活用するよう 奨励する
★ 日本から アメリカに輸出する半導体は その値段を 日本企業ではなく アメリカ政府が決定する (高くする)
★ アメリカ政府は 国内のダンピング監視は行わない(アメリカ製品は いくら安くても 関知しない)
★ 日本政府は 日本から 第三国へ輸出する 半導体価格を 監視する (安く しては ダメ)
★ この協定は 5年

1987年 アメリカの半導体シェアが 回復しないことを 理由に(当たり前だ) レーガンは さらなる措置を 発動 した
★ 日本の特定商品(パソコン、カラーテレビなど) に 100%関税 引き上げ措置を 行う

1991年 第二次協定が発効し さらに無謀な要求
★ 日本国内で アメリカを含む外国の 半導体シェアを 20%以上 に しろ

日本としては 湾岸戦争の最中で 軍隊も派遣せず アメリカに 安全保障を 委ねている状態 自動車や家電など 大得意のお客様でもあり いくら難癖でも 突っぱねるわけにはいかない 新人総理の カイフ君も しぶしぶ 

真面目な対策
● DRAM の販売価格は アメリカ政府の 承認を得る (他国より高くする)  ● 半導体の生産は 縮小する  ● DRAM生産は 韓国に移管する  ● 極力 海外から半導体を調達 し 日本での海外製品のシェアノルマ20%を 達成する  ● 半導体製造装置 及び 半導体材料 等の 輸出に 力を入れる

この結果 大手電気会社の半導体部門は 廃止、統合が 続き 我が国の 大規模 半導体製造工場は ほぼ 無くなった

惜しむらくは この時 東芝が開発した フラッシュメモリの製造も 韓国に 移管された ということ 
その後 フラッシュメモリは パソコン スマホの需要で 飛躍的に拡大し 韓国は 半導体メーカーとして 大発展した

東芝と しては 半導体より 原発建設に 忙しい時期 
他の国内メーカーとしては 日本には もう製造工場も ないし 一生懸命作っても またアメリカが 難癖つけたら 商売にならないし 

結果として 先に示した 世界シェアのグラフ に たどり着きましたよー



ったく ! アメリカという国は てめえの 頭の悪さを 棚に上げて ダンピングとか 不公正貿易とか いちゃもん商売
やっちゃいられねーよ と 言いたいところだが 我が国は 基本的に 優秀な技術が あるので 少しは 余裕

昨年 韓国が 半導体の技術移管の 恩も忘れて 日本に ケンカ売って来た 時も
「それなら 半導体の洗浄液の 輸出を 制限 しますよ」 と 一言 いっただけで 内閣が 潰れてしまった

まあ どこの国も トップとしては 頭の悪い子でも 守ってやらなければならぬ
そして 我が国と しても 安くて優れたものを 輸出するのが どこが悪い という態度では 安定な貿易は 望めない
自動車では 現地工場を作って 雇用を 増やす など お互い win-win となる 頭を使った 対応が 必要


「だから 日本はダメだ ! 」と 吹聴している 出羽守 殿 !
我が国は そんなに ダメな国ではありません 
世界中の人が 平和で暮らせるよう 願っている 素敵な 民主主義の国

自動車に しても 半導体に しても 世界シェア一位である 必要は ありません
相手の 国内産業を潰 して シェアを 拡大するような 覇権的な 商売も やりません
真面目で優秀な国民は これまでの 状況を 分析 反省し
必ずや ダメでない理想の方向に 向かって 進んで行きます


こんなブログを 書く人が いる  「だから 日本は 素晴らしい ! 」









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